日本の伝統的美しさ = 消えゆくもの?
最近、三島由紀夫さんのことをよく調べている。
最後に割腹自殺したノーベル文学賞候補にまでなった有名作家だ。
今は、ネットに沢山の動画がアップされているし、本も簡単に読める。
文学を理解する能力がそこまでない私だが、少し語らせてほしい。
美しさをとにかく追及する人であり、様々な美を理解したのだと思うのだが、やっぱり一番のこだわりは、「消えゆくもの」への美意識だったのだと思う。
死に関するインタビューでも、
「不思議なもので、戦争に行って死ぬと思っていた時の方が、幸福を感じていた。現在は大義のあるドラマティックな死に方が出来なくなっている。」
と答えていた。
代表作の『金閣寺』についても、金閣寺が戦争で焼けるかもしれないとか、誰かが尺八を吹いてメロディーとともにあるときとか、『有限』であるときに輝きを感じる、という話であった。
最終的に右翼的になったのも、『日本的な美しさ=消えゆくもの』であったからではないかと思う。
美意識が先にある、というか。
「桜は散るから美しい」とは、まさに『消えゆくもの』の美意識であり、忠臣蔵でも最後に英雄が死ぬから良いのかもしれない。
日本の伝統的な美しさとは、やはり、『消えゆくもの』『有限なもの』なんだろう。